自家採密の国産天然はちみつで地域ブランド化を図る MARUCHO FARM (マルチョウファーム)(伊達市)


 日本で流通するハチミツ。実は西洋ミツバチの蜜と日本ミツバチの蜜の大きく2種類に分けられることをご存知でしょうか? 

 私たちが、スーパーなどで見かけるハチミツの多くは、養蜂のために移入されてきた西洋ミツバチ由来のもの。対して、在来種である日本ミツバチのハチミツは、流通シェアが1%にも満たない希少なものなのです。

 そんな貴重な日本ミツバチ由来の蜂蜜が、阿武隈地域で作られていることに驚きました。

 日本ミツバチによる養蜂を手がけるのは、『MARUCHO FARM』。伊達市月館町の菅野敏弘さんご一家が、親子4代で営んでいます。養蜂は、果樹を育てるために必要だと先代が始めたそうで、「ハチミツは副産物でしかなく、父は隣近所にただ配っていただけ」だったと敏弘さん。「家業を継ぐことをきっかけに、本格的に養蜂をメイン事業にすることを選択した」そうです。

 「日本ミツバチは、巣の環境が悪くなると逃亡してしまう性質もあり、異常気象の昨今は環境悪化を招きやすく飼育の苦労も大きくなっている」と敏弘さんが続けます。それでも、「日本ミツバチの蜂蜜は、西洋みつばちとは異なる酵素を持っていて、酵素の違いが味の違いになる。

 蜂が花の蜜を巣に持ち帰り、酵素を加え、旋風行動によって水分を飛ばし、濃縮しながら熟成されたものがハチミツ。単なる花の蜜を集めたものではない」と敏弘さんが教えてくださいました。

 「腸にやさしいし、殺菌作用も強い。食べたあと、口の中の雑菌が少なくなることから、歯周病予防にもつながるとことが認められています」。

 MARUCHO FARMでは、花を求めて秋田や山形へも出かけ、ハチミツを採取し、現在10種類以上のハチミツを販売。スタンダードなアカシア、クリーミーでコクのある菜の花、ビタミンやポリフェノールの含有量が多い柿、独特の香りと風味の栗など、それぞれの花の種類が違うと、全く異なる味を堪能できます。

 また、「ハチミツ屋だからできる」と、2020年から新たな取組として開発したのが「はちみつ米」。出穂した稲穂にはちみつをかける独自製法のブランド米です。冷めてもおいしいと評判です。

 はちみつのびん詰め体験、蜜ろうを使ったクリームや石けんづくりのワークショップなども開催しています。 伊達市の新ブランドとして全国に広がることが期待されます。商品は、「道の駅伊達の郷りょうぜん」で購入可能です。

【MARUCHO FARM】
福島県伊達市月舘町御代田字飯森54
電話:090−2791−0888
URL:https://superleisureonmyli.wixsite.com/marucho-farm/

写真トップ:菅野さんご一家

MARUCHO FARM 蜂蜜