「こびとの森」でこびとと出逢い育むこころと体(いわき市田人町貝泊)

▼森を守るこびとの役割

令和7年5月、いわき市田人町貝泊の森に「こびと」が住み始めました。こびとは「土と森の命」「酸素と二酸化炭素」「癒しと雨」を担うために、3棟の家を建てました。しかし、こびとはその姿をなかなか見せてはくれません。こびとに会うため案内役を担うのが、酒井千春さんです。

▼こびとの住める森を探す

 酒井さんは、いわき市内で会社員として働いてきましたが、自然環境や森に関することなどに長年関心をもってきました。コロナ渦などを経て「自然に関わる仕事をしたい」と森の案内人や市環境アドバイザーなどの資格取得をすすめてきました。併せて、子どもたちが自然体験のできる場所を造れる森を探し歩きました。いわき市内外十数か所を歩く中で出会ったのが、貝泊の森でした。

▼こびとの森を拓く

 酒井さんは貝泊地区内を回る中、小川が流れる緩やかな傾斜地で、体験宿泊施設星の森コテージ傍の森に決めることにしました。雑木で覆われた森を家族や地域の人たちの協力を得て、間伐や除草を行いました。福島県の補助金やクラウドファンディングなどを活用し、森への入り口となるカフェ、子どもたちの体験ベース基地、こびとの家を整備し「こびとの森」と名付けました。

▼子どもたちへ自然体験を

 森の案内役である酒井さんは、「大人には見えなくなってきたこびと。でも子どもたちの中には見えたよと教えてくれることもあります。この森での体験遊びで、森の機能や自然の大切さの理解に繋がってくれたら」と話します。

▼これから・・・大人も

 子どもたちが森にいる間、親はminiカフェで過ごします。親のための絵本や、親同士の交流ができる場づくりも進めていくそうです。大人も森での癒しを体験できるようにと6月には、フィンランドサウナと水風呂を小川の傍に設置しました。カフェでのランチも提供予定です。子どもが自然に関心を持った時、大人で心が疲れたと感じた時、こびとの森を訪ねてみてください。

(2025年5月20日取材S)

■名称:こびとの森

■住所:福島県いわき市田人町貝泊字梅木平10

■URL:Instagram https://www.instagram.com/kobitonomori_tabito

■URL:Website https://reserva.be/kobitonomori/about

写真トップ:こびとの森を運営する酒井千春さん(奥)と家族。拠点ともなるminiカフェの前で。「こびとの森」では、子どもたちは自然体験が、大人はカフェ・サウナ等が利用できる。

写真トップ:県道390号線沿いのある「こびとの森」。木の看板に導かれると、子どもたちだけが入れる森の入り口(門)がある。

写真3:自然を守るために森に住むこびと達の家。(森の中に3棟点在する内の一つ)子どもたちはこびとに合うため、さまざまな体験をしながら、3棟の家を訪ねる。