四重奏「さめがわプライド」を奏でる若手農家の心意気(鮫川村)

四重奏「さめがわプライド」を奏でる若手農家の心意気(鮫川村)

▼村の若い農家が集まった!

 阿武隈地域の南部に位置する鮫川村で若い農業者4人が、地域の魅力を発信しようと、2023年にチーム「さめがわプライド」を結成しました。米・野菜・山菜・牛の飼育と取り組む農業や年齢、個性もバラバラだけど、鮫川村を愛してやまない気持ちはいっしょの4人です。

▼4人をまとめる年長者

 年長の白坂忠幸さん(白坂農園)は、長芋やゴボウ、ニンジン、ウルイなどの根菜類のほか、県内ではめずらしい室(むろ)栽培で軟白ウドを生産しています。「鮫川うど」と名付けたブランド品です。白く柔らかく、爽やかさを感じる一品として、冬の人気商品になっています。

▼前職の経験を活かし常に挑戦

 2021年脱サラから父親の農地を継ぐことを決意した小松孝次さん(小松農園)は、減農薬栽培、ミネラル豊富な野菜づくりにこだわり、いちご、ミニトマトを中心に試行錯誤を繰り返しながら栽培に取り組んでいます。今では圃場は鮫川村だけでなく、近隣町でもいちご栽培を展開しています。

▼愛してやまないジャージー牛

 標高600mの高原で、ジャージー牛のみを飼育をしている清水大翼さん(ファームつばさ)は、ミルク本来のおいしさを味わってほしいと、丁寧な飼育、手作業の搾乳などにこだわっています。2020年にはJGAP認証も取得。牛乳やアイスのおいしさは各地のイベントでも大人気です。

▼親子で取り組む循環型農業の実践

 山村での体験を提供する自然学校を運営する両親の元で育った進士陽平さん(一般社団法人あぶくまエヌエスネット)。有機栽培での米、野菜栽培のほか、ニワトリを飼育してのたまごと自家製小麦で作るパンも人気です。

▼4人だからこそ・・・

 鮫川村が大好きな4人は、農家の後継ぎが少なくなり、子供の数も減ってきている現状から、観光や移住に関心を寄せてくれる人を増やしていくために、農業と鮫川村の魅力をこれからも発信していきます。

(2025年7月11日取材S)

■名称  さめがわプライド

■販売先 鮫川村農産物加工・直売所「手まめ館」

■住所 東白川郡鮫川村赤坂中野巡ヶ作116  

■電話 0247-49-2556

写真トップ:2025年2月、福島県の首都圏情報発信拠点「日本橋ふくしま館 MIDETTE(ミデッテ)」でさめがわプライドの4人は、そろって出店・対面販売を行いました。そろいのシャツと帽子でチームワークはバッチリ。(前列4人)(写真トップ・2:一般社団法人エヌエスネット提供)

写真2:公民館のMIDETTEでは、それぞれ自慢の商品を並べました。鮫川うど、ウルイ、いちご、米、卵、牛乳。多くの人に購入していただき完売となった楽しい1日だった。

写真3:さめがわプライドのパンフレット 4人の個性あふれる農業がそれぞれ紹介されている。