▼野菜として活用するパパイヤ
熱帯の国々で栽培されているパパイヤですが、国内でも沖縄や九州での栽培が盛んです。未熟なパパイヤは「青パパイヤ」と呼ばれ、主に野菜として日々の食生活に活躍しています。12月頃に完熟期を迎えるパパイヤは、10度以下に下がる東日本の路地では完熟はできません。いわき市川前町では3年前に「麦わらファーム」の佐久間英行さんが「青パパイヤ」栽培に取組始めました。
▼工業技術者から農業への転身
いわき市川前町の自宅から隣接する小野町の工業系企業に長年勤めていた佐久間さん。定年を前に、これからの人生を考えるなか、青パパイヤの紹介にふれる機会がありました。食物繊維やビタミン、酵素等豊富な栄養素を持つスーパー野菜であり、生産者も少ない青パパイヤ栽培にひかれ、早期退職し挑戦を始めることを決意しました。
▼初栽培の試行錯誤の日々
自宅のある川前町桶売で栽培を始めましたが、より栽培条件の良い四倉町内でも畑を借り、栽培面積を広げています。パパイヤの栽培は肥料分が多く必要で、冬に肥料などを追加し土壌改良をしました。春に茨城県から苗を購入し、手作業で植え付けをしています。栽培のアドバイスは受けるものの、初めての栽培地で、苗が風の影響を受けて、植え直しをする経験もしました。
▼農家初心者を支える友
農家としてはまだ新人の佐久間さん。麦わらファームとしてブロッコリーやキャベツ等などの野菜も並行して栽培するなど、毎日の作業におわれている中、「植え付けや草刈り等は友人が手伝いに来てくれることが、心の支えになっている。」と佐久間さん。3年目になる今年は栽培面積を増やしました。8月には2mほどまでに成長。9月上旬には青パパイヤとして収穫できるのを楽しみにしています。
▼広がる食材としての活用
福島での青パパイヤは馴染みが薄いですが、飲食店との協働で食材使用の他、葉茶の販売始めました。見かけた際は是非、味わってみてください。
(2025年6月17日取材S)
■名称 麦わらファーム 佐久間英行さん
■住所 福島県川前町上桶売
写真トップ:パパイヤ植え付けの圃場を手入れする佐久間英行さん。苗にキャップをかぶせ、防寒対策をとっている。
写真2:今年は、5月の気温が昨年ほど上がらなかったことから、背丈は少し低いが、これからの暑さに期待している。暑さの中、日々手入れの日が続く。

写真3:抗酸化力の高いパパイヤ。実と同等の栄養素を持つ葉は、茶葉として加工し販売を開始。通年を通しての販売できる商品開発にも取り組んでいる。
