阿武隈の里山に春を呼ぶ花々・・・クマガイソウ・ニリンソウ


 クマガイソウは全国に分布していますが、絶滅危惧種に指定されています。

阿武隈地域では、二本松市東和地区やいわき市田人地区の杉林の中で、住民の手により大切に守られながら株を増やし、群生地として開花期には多くの人びとを楽しませています。

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いわき市田人綱木地区

 県道20号線いわき市遠野町から入遠野へ向かう途中、熊野神社境内前を抜けて沢沿いに6km。途中、車のすれ違いもできない細いところを抜けていくと綱木地区に入ります。綱木地区は戸数10件ほどの小さな集落。その一番奥に、平子長雄さんのお宅があります。

 平子さんは、長年営林署に勤める中で、自宅で「クマガイソウ」を大切に育てていました。10数年前から自宅裏の杉林でクマガイソウの繁殖を、今では個人の敷地内に3万株が群生しています。
 花の見頃は4月の下旬から5月中旬まで。しかし、株を増やし花を咲かせるまで、1年中手入れが必要とのことです。現在、高齢となった平子長雄さんに替り、親戚や近所の方20人ほどが「クマガイソウを守る会」を2014年に発足して活動しているそうです。

 開花時は、会員の方がクマガイソウについて案内をしてくださったり、お茶のサービスなどをしています。
敷地内には駐車場が2箇所。40台程が駐車可能です。入園料として一人300円が、「クマガイソウ」の管理費に使われるとのことです。見学用のコースも作られていますので、服装も靴も普段通りで見学できます。

山野草は持ち帰っても、長く育てていこことはとても難しいものです。絶滅危惧種になっている「クマガイソウ」が阿武隈の地で長く守られて行くよう、「守る会」の活動が続くことを願います。

ニリンソウ

 ニリンソウは、阿武隈地域では桜が散りはじめ、カタクリの花は終わりを迎える頃に小さな可憐な花を咲かせます。各所で見られますが、いわき市三和地区の綿津美神社の境内では群生したニリンソウがみられます。

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