太鼓の音で被災者を元気に(標葉せんだん太鼓保存会)

 「我々ががんばって、姿を見せ太鼓の音を響かせることで、双葉町の人を元気にしてあげたい」。標葉(しねは)せんだん太鼓保存会の代表今泉春雄さんが、太鼓を続けている想いについて話します。

 標葉せんだん太鼓保存会は、平成4年に双葉町で横山久勝さん(前代表)を中心に集まったメンバーで結成された創作和太鼓のチームです。双葉町体育館を主練習場として毎週練習を重ねていました。時にはご近所から「うるさい!」と苦情を度々受けていたそうです。それでも、震災前には町内外から25名ほどのメンバーが集まり、「双葉で生まれたこの音を残さなければならない」と使命感を持ち、イベントの他に結婚式や施設訪問など年間60ステージを実施していました。震災時、たまたま週末の演奏のために、太鼓はトラックに積んであり、メンバーの避難と共に県内外を移動したことで、せんだん太鼓は消滅を免れました。

 メンバーがバラバラに避難している中、その年の6月には県の太鼓フェスティバルに参加。その後、シニアコンクールにも参加し、2016年には準名人を、2018年には特別賞を受賞しました。

 避難所から仮設住宅へと生活が変化していく中でも、練習場を探し県内の公民館や体育館を借りたりもしていたそうです。拠点が定まらない日々が続きましたが、せんだん太鼓に魅せられた若い人たちも加わり、新たなメンバーの声かけで2年前から小野町の町民体育館を拠点練習場として利用することができるようになりました。今では、月2回の練習に、中通り・浜通りから10人前後のメンバーが集まってきます。
 
 「太鼓は常に練習をすることも大事。双葉の音を繋いでいく場所。続けていけることで元気も出る。だから練習の場を貸して頂いている小野町にはとても感謝している。何か恩返しできることをあれば」と語る今泉さん。これからも双葉の音を残すため、小野町での練習を続け、多くのステージで演奏できる日を待ち望んでいます。
 

標葉せんだん太鼓保存会
代表 今泉春雄さん
HP:http://sendantaiko.sakura.ne.jp/ 
  *2020年春より新ページ公開予定
双葉町の盆踊りを残していくためのプロジェクト、ドキュメント映画「盆唄」の中でも、双葉町の盆踊り太鼓を演奏する様子を見ることができる。
 


せんだん太鼓を積んだトラックと今泉春雄さん


練習拠点となっている小野町町民体育館