アップサイクルで資源循環『豆洋裁店』野崎奈津子さん(古殿町)


 アップサイクルとは、古着などに手を加えて、新たな製品として生まれ変わらせることです。最近では、履かなくなったジーンズや洋服をトートバックにしたり、ぬいぐるみを作ったり、使わなくなった化粧品(口紅やシャドー等)をクレヨンや絵の具に変化させた新たな製品が販売されたりと、私たちの身近な生活の中で見かけるようになってきました。

 古殿町在住の野崎奈津子さんは、縫製の技術を活かしてアップサイクルの製品作りを重ねてきました。廃棄される洋服や端切れは、ポーチや髪飾りやバックに仕立て直します。それでも残る端布は、ワイヤーに巻いてオリジナルハンガーにするなど、大事に使い切る製品づくりをして『豆洋裁店』を営んでいます。

 マルシェやハンドメイド雑貨の販売会などに参加した経験を活かし、2020年から古殿町体験博覧会「フルドノタイム」に参加。酒袋で作るオリジナルバック製作体験プログラム等を実施しました。

 古殿町竹貫にある工房では、布バンクも展開。バンクに集まった布切れや洋服をアップサイクルした商品が展示販売されています。また状態の良い洋服等はそのまま、安価でお譲りもしています。

 野崎さんは、展示販売のほか、古殿町松川の「コミュニティスペースつなやさんち」で、子どもたちと草木染のワークショップを開催する活動も行っています。身近な草花や野菜の皮等で染色された布は、やさしい色合いとなり、小物づくりに活かされます。
 「工房開店時やマルシェ出店時には、布バンク用の籠を設置しています。私が要らないものも誰かが欲しいものかもしれません。資源循環の一役になれれば」と話す野崎さん。

 一度は役目を終えた布たちによって紡ぎ出された作品を、ぜひ一度ご覧いただきたいです。

アップサイクル『豆洋裁店』
石川郡古殿町竹貫竹貫44
営:不定期開店(事前にSNS等でお知らせあり)
https://www.facebook.com/mameyousaiten/
https://www.instagram.com/mameyousaiten/

酒の搾り袋をアップサイクルして、酒瓶用のおしゃれな手提げ袋に

洋服や着物は、バックや小物に生まれ変わって販売。
野崎さんが野菜や草木を使って染色した布や米袋(紙)も素材として活用されている