お母さんパワーを結集して挑むこども食堂(玉川村)


 子どもたちの笑顔は、どんなに疲れていても一瞬で元気にしてくれる最高かつ最良の薬だと言えるでしょう。仕事で大変な時でも、気分が優れない時でも、子どもの笑顔に癒され、心のギアをチェンジして頑張って乗り越えることも多いと思います。

 玉川村で3人のお子さんを育てる堀越美保さんは、コロナ禍で子どもたちの外出の機会がめっきり減り、友達とコミュニケーションをとることもままならず、笑顔が消えた子どもたちの日々を憂いていたそうです。それと併せて「子育てをしながら忙しい家事と仕事の両立に悩み、精神的に辛い思いをしている母親たちのことも気になっていた」とも。

「何とかしてこの状況を改善しなくては」と思っていた堀越さんは、「女性から見たまちづくり研究会」という村の企画があることを知り、迷うことなく参加を決めました。この会は、村長をはじめ村の要職の方々と村在住のお母さんたちが、子育てや教育などに関するさまざまな悩みや問題を話し合う場でした。

 「参加したお母さんたち全員が、子育てについての議論はもとより、村の将来のことまでを熱く、真剣に議論していることに驚き、感動しました」と堀越さん。「このお母さんたちのパワーを結集して何か出来ないだろうか、こどもたちを笑顔あふれる日々にしてあげられないだろうかと考えた」堀越さんは、研究会で知り合った仲間と活動を開始、『こども食堂 クックキッチンたまかわ』を立ち上げました。メンバーには、調理師も管理栄養士もいます。玉川村初のこども食堂として、村の広報紙にも大きく取り上げられました。

 玉川村のライオンズクラブから寄付の申し入れがあったり、近隣の企業から協賛金を頂いたり、堀越さんの母校であった旧須釜中学校(現:すがまプラザ交流センター)の家庭科室を調理場として使用させてもらったり、周囲から多くの応援も寄せられています。「月1回のこども食堂開催日には、調理場に集まって子どもも一緒に料理します。子どもたちは笑顔で楽しそう。みんなで調理した思い出が一生残って欲しい」と堀越さん。

 良い仲間に恵まれ、支えてくれる周囲の環境も整う中、今後は「畑で野菜づくり体験」や「玉川村の祭り復活」を目指したいそうです。法被を着た笑顔あふれる子どもたちやパワフルなお母さんたちの踊りが目に浮かんできます。

 クックキッチンたまかわには、玉川村以外からの参加者も増えて来つつあり、この活動の楽しい輪がどんどん広がり始めています。

こども食堂 クックキッチンたまかわ(玉川村)
住所:〒963-6302 石川郡玉川村大字南須釜字奥平290 すがまプラザ交流センター(GoogleMap
ウェブサイト:https://c-kitchen-tamakawa.com/

トップ画像:イベント企画も頻繁に開催しています(堀越さん)

画像:旧須釜中学校(現すがまプラザ交流センター)家庭科室で。
「広々としたスペースで、子どもたちが安全に調理が行えています」と話す堀越さん(写真右、左は協力者の地域おこし協力隊の和田正樹さん)