▼福島県に生まれた青年は
2001年、福島県郡山市に生まれた塩澤大地さんは、学生時代はバスケットボールに熱中したアスリートでした。実家は建設業を営んでおり、高校時代までは「いずれは兄と家業を継いでいくのかな」と漠然と思っていたそうです。そんな将来を考えていた青年は大学進学のため、上京しました。
▼農業、自然、環境に興味を持っていたので
大学進学で選んだ学部は、農学部でした。もともと食に対して興味があり、さらには地球温暖化問題や里山の復活などに興味を持ち、勉強をしながら広く地球の環境問題についても学んでみたかったため専攻したそうです。2016年、実家では建設業のほかに新たに農業事業も始めたので、家族からの理解と全面的な応援もあり、ますます農業への学びに拍車がかかったそうです。
▼就活は、地域おこし協力隊にこだわった
大学生活も終わりに近づくとやってくるのは就職活動。しかし、塩澤さんは企業への就職活動は一切せず、福島県内の「地域おこし協力隊」募集を探し続けた。
そして玉川村の説明会に参加してみると、自分の求めていることが実現できそうだと感じ、さらに村には大勢の地域おこし協力隊の仲間がいることがわかったため玉川村の地域おこし協力隊になることを決めた。
▼農業の大変さ、面白さを実感
2024年4月から玉川村の地域おこし協力隊として農業活動している塩澤さん。1年目は、村の畑300坪でトマト、エダマメ、トウモロコシ、カボチャ、スイカ、キャベツ、ナスなど、たくさんの種類を有機栽培で作ってみた。周りからは「有機栽培で野菜づくりは大変だからやめた方がいい」と言われたが、大学の農学部で学んでいる時から、有機栽培で育てた美味しい野菜を子どもたちに食べさせたいのが夢だった。
▼今後のライフワークとして
今では農業体験を子どもたちにさせてみたり、玉川村への移住希望者の人に、野菜作り体験をしてもらったりと忙しく活動している。さらには、自然環境問題に対し、出来ることから始めようと有志を募り、2024年に自然保護団体「ふくしまRootsの会」を立ち上げ、ますます忙しく活動中だ。
(2025年5月16日取材Y)
■名称:玉川村地域おこし協力隊
■活動場所:〒963-6301 福島県石川郡玉川村四辻新田村中64 「yodge FARM(ヨッジファーム)」
■ふくしまRootsの会:https://www.instagram.com/roots_fukushima/
写真トップ:野菜作りに励んでいる塩澤さんの仕事場「yodge FARM」、昨年は猛暑の中、多くの種類の野菜作りにチャレンジした。大学で農業の勉強はしてきたが、実際に農作業するのは初めて。その大変さに、農家の苦労が身に染みてわかったという。
写真2:もうひとつの仕事場は「すがまプラザ交流センター」内の事務所。こどもに野菜作りを経験させたい個人や企業からの農業体験教室の申し込みが届くため、スケジュール調整に余念がない。

写真3:ひとりで300坪の農地を管理するのは大変だが、地域の人生の先輩方に協力していただきながら今日も作業に精を出している。今年は、初めて田植えにも挑戦した塩澤さん。ご自身の名前の通り、大地と共に生きることに燃えている。
