都路町のほっとスペース! 『よりあい処 華』へ来てみませんか。


 東日本大震災とそれに伴う福島第一原発事故により全町避難を余儀なくされた田村市都路町。今泉清司さんと富代(ひさよ)さん夫妻も例外ではありませんでした。
いつ戻れるかも分からない状況の中、「不安な避難先で少しでも生きている喜びを感じて欲しい」と、富代さんは手芸教室を始めました。集まってくる生徒さんたちは、針先に気持ちを込め、徐々に不安は薄れていったそうです。

 震災から3年後の2014年4月、都路町全域に出されていた避難指示は解除されました。
帰還に伴い、手芸教室も閉じることになりましたが、それを寂しがる生徒さんの継続を望む声が多数寄せられたそうです。「帰還後も、都路で手芸教室を続けていこうと決心したきっかけとなりました」と富代さん。

 ご実家としてお住まいになっていた古民家を手芸教室の場として使用することを決意し、多くのボランティアを集めて改装に取りかかりました。2014年6月、手芸教室としてオープンしたのが『よりあい処 華』です。

 一方で、その当時、都路町には食事を提供する店が1軒もありませんでした。「この状況では、帰還も進まない」と感じた富代さんは、食事処としてもやっていこうと決心。郡山市の知人などから食器を求め、古民家ならではの郷土料理風おまかせランチなどの提供を開始します。
 評判はすぐに広まり、人気のお店になりました。この春、オープンからちょうど3年を迎えたこの店は、都路町の古民家レストランとしてすっかり定着しました。富代さんの温かい人柄とサービス精神で、多くの人の心を惹きつける、魅力あるお店です。手芸教室も、地域のお母さん方と共に「みやびなの会」を結成し、今も継続しています。店内には、お母さんたち作品が飾られ、温もりある雰囲気に包まれています。春の風物詩「つるし雛飾り展」は、ここを会場として毎年開催されるようにもなりました。都路町の人々が寄り合える場所として『よりあい処華』が長く続くことが期待されます。

店名:よりあい処 華
住所:田村市都路町古道字新町67
電話:080-8203-8787
営業:毎週月・水・金の11:00〜14:00

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