「土と自然から学び共に生きる」メッセージを届ける 進士徹さん【あぶくまエヌエスネット】(鮫川村)

「子どもたちが笑顔で元気にいられるように寄り添う」ことをコンセプトに、4年前から子ども達を受け入れ、1泊2日から1~2週間の長期まで里山の暮らし体験をサポートしているのが、あぶくまエヌエスネットを運営する進士徹さん・由美子さんご夫婦。

 30年前、子どもを自然豊かな環境の中で育てたいと、山村留学施設運営を仲間と共に計画していた進士さんたちを受け入れてくれたのが鮫川村でした。その頃はまだ地方への移住希望者を受入れる体制が整っているところは全国でもほとんどなかった時代です。廃校となった校舎を借り受け始めた山村留学に集まってきた子どもたちが、村での農業体験などを通じながら元気を取り戻していく姿を見守ってきました。

 その後、体験・手伝いから本格的に農業をしたいと、田畑を借り就農。自ら農業の技術を習得しながら、自然体験を提供する「自然大学」を1999年に開始。2003年には現在の活動の基盤となる「あぶくまエヌエスネット」を設立しました。

 近年非常時のときが頻発し、地震・大型台風等による水害等で影響を受けている子ども達を応援したいと始めた里山体験。午前中は動物の世話や農作業が日課です。午後は自由時間で、施設の目の前にある広場・沢、里山(通称ぽんた山)を自由に駆け回ります。泥だらけになりながら草花に触れ、水と遊びます。そんな子どもたちを、進士さん夫婦はそっと見守ります。「子ども達は身体全体で体験し、体感をして成長していく」と進士徹さん。

 受け入れるのは子ども達だけではありません。親子・大人のための里山体験、農業体験も人気です。リピーターもいて、農家の手伝いをしながら将来的には移住、農家としての自立も支援しています。また、子ども達の体験を支えるボランティアの育成受入れをしています。ボランティアには日本人だけでなくスエーデンやイタリア・ロシア等からの若者もいて、日本の里山で日本の農業や文化を体験しています。

 新型コロナ感染拡大防止のため、早く始まった春休み。以前から来ていた子ども達が、3月を鮫川村で過ごしました。その後全国的な活動自粛を受け、今子ども達の姿はありません。しかし、鮫川の里山では田植えを行い、野菜を育てています。体験の受け入れはできていませんが、鮫川村で育った野菜や由美子さんが丹精込めて作ったパン等を、求めるたくさんの方々に宅配しています。夏には里山体験を再開できるよう準備を進めています。

 2020年。暖冬で迎えた年は5ヶ月の間に、生き方・価値観の転換を改めて考えさせられる期間となりました。都市部で生きるリスクも見えてきました。進士徹さんは「土と自然から学び共に生きる」このメッセージを送り、行動をする人を鮫川村の自然と共に支え、応援していきます。

【連絡先】
進士徹さん(一般社団法人あぶくまエヌエスネット)
〒963-8403 福島県東白川郡鮫川村赤坂東野字葉貫57
TEL:0247-48-2508
http://abukumansnet.org/index.html
https://www.facebook.com/tooru.sinsi

写真1枚目:進士徹さん(あぶくまエヌエスネット代表)活動施設と「ぽんた山」

写真2枚目:里山体験中の子ども達。
自由時間には広場を流れる沢に石を積んでダムを作った。
木片を積んで橋をつくり安全性は渡って確認。スタッフたちは、子ども達が納得するまで見守っている。

写真3枚目:広場内には、クライミングのできる壁やピザを焼ける石窯が設置してある