この村に[いること]でゆっくりと元の村に戻っていく景色を眺めていたくなる「カフェいること」(葛尾村)

▼茨城~京都~茨城、そして福島へ
茨城県日立市で生まれた「カフェいること」オーナーの大山里奈さんは、高校を卒業後、美術を学ぶため京都へ。その後、茨城へ戻り美術の先生として中学校、高校で教鞭を執りました。8年間の教員生活を過ごしたあと、アーティスト活動専念のため退職しヨーロッパへ美術の勉強に出た際にコロナ禍が全世界で蔓延したため急遽帰国。その後、西会津国際芸術村のイベントに参加したことがきっかけで、葛尾村でインターンの学生を世話するスタッフとして葛尾村に一か月程度のアルバイトのつもりで福島での生活がスタートしました。

▼渡りに船のような話から葛尾村に移住
アルバイト期間中、アーティストを葛尾村に招いて一定期間滞在して、芸術活動をしてもらい、村内外の人々の交流を生み出そうという企画が持ち上がった。大山さんもアーティストとしてこの企画の相談に乗り、アドバイスをするうちに、この企画を途中で離れるのではなく、事務局として葛尾村に残る道を選択しました。葛尾村にとっても、大山さんにとってもまさに渡りに船といった話となりました。

▼家、職場、そして「第三の居場所として」
葛尾村で腰を据えてアーティストサポートの仕事を始めた大山さんが次に考えたことは、様々なジャンルのアーティストが葛尾村に来て活動をしてもらっても皆で集える場所が無い、無いなら作ってみようということでした。そこで空き家を購入し、リフォームを施してカフェができました。いずれは村の外から来た人と村の人をつなげる場所にしたいと語ってくれました。

▼「いること」の意味
「カフェいること」と命名したのは、全村避難したあと徐々に人々が戻りつつある自然豊かなこの村が好きだから。この村にいることで以前の風景に変わっていく新たな歴史が見られるから。ただここにいることで老いも若きも、地元の人も外から来た人も、話が弾めば嬉しいなという思いから。取材中も近所のご夫婦が土砂降りの中、採れたて野菜を持参してくれました。大山さんがこの葛尾村に‘いること`が浸透してきた答えをみました。
(2024年6月28日取材Y)

■名称:「カフェいること」
■住所:〒979-1603 福島県双葉郡葛尾村大字野川字中島256番地1
■営業曜日:日曜、月曜
■駐車場:建物の周辺に有り
■URL:https://ilucoto.com/

写真トップ:ご自身もアーティスト活動を継続中。葛尾村にある自然素材を使ったワークショップを開いている。素材探しに村を探検することもあって、道案内は近所のおばあちゃんが先導してくれるのだとか。


写真2:会社員、アーティスト、そしてカフェの経営と三投流で大忙しな大山里奈さん。パワーの源はここから見える大自然と綺麗な夕日。営業は週2日間だが地域のかたからはもっと営業して欲しいとのリクエストが。


写真3:空き家をリフォームした「カフェいること」の飲食フロア。リフォーム作業にはご近所の方々がボランティアで参加していただいた。留守にしていると周囲の草刈りもしてくれるなど地域みんなで見守られているようだ。