木々のささやきが聞こえる農家民宿「秋元」(川内村)を訪ねました。


木々のささやきが聞こえる農家民宿「秋元」の秋元通(トオル)さん・一子(イチコ)さんを訪ねて来ました。

 399号線沿いのイワナの郷から太平洋側6kmほど東側にあるのが、川内村毛戸(もうど)地区です。毛戸ダム周辺に広がる集落で、震災前の戸数は33戸でした。

 毛戸地区は、原発事故で全村避難したのち、2014年10月に避難指示解除。一番最初に帰還したのが秋元通さん・一子さんご夫婦でした。森林関係の仕事に従事していた通さんが、退職後にと計画していた農家民宿の開業をあきらめきれなかったこと、川内村を離れて尚一層川内村の自然の豊かさと暮らしやすさ、愛おしさを感じたことが大きかったと一子さんは語ります。

 まず取り掛かったのが、自宅の改修です。田舎の家、座敷でくつろげるようにと、2間続きの和室を整え、鍋なども囲めるように火鉢付きの座卓もわざわざ取り寄せました。お風呂は薪でお湯を沸かすボイラーを取り付け、なんと浴室は2階に。

泊りに来た家族が全員一緒に入れるようにと取りつけられた大きな湯船に浸かると、森に囲まれた豊かな里山の風景が広がります。

 「自宅東側の丘に登ると、太平洋が見えるの。通さんがその頂上に立つ木にツリーハウスを建てるの。丘の南側斜面には「わらび園」をつくりたいので株を育てている途中なの」と一子さん。

 まだ森林の放射能の影響に対する不安が完全に払拭されていない状況でも、秋本さん夫妻は山菜等の放射能検査を重ね、開業できる日を待ちわびています。

 自宅裏には、孫のためにと通さんが一人で丸太を組み、ロープを張った「ロープスライダー」があります。
最初は不安気に乗っていたお孫さんも、一人で何度も繰り返し乗るほどのお気に入りだそうです。
もちろん、泊りに来た家族も皆さんで楽しんでいます。

 農家民宿としては、まだ広く広報をしているわけではありませんが、知人などを通じて少しずつ、予約の問い合わせが増えています。車の通りも少なく、鳥のさえずりとゆっくり流れる里山の時間を楽しめ田舎の我が家をぜひ訪れてみてください。

 
農家民宿 秋元
住所:福島県双葉郡川内村大字下川内字糠塚66-2
TEL:0240-38-2505 予約要

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